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河原猫と自転車と珈琲

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先日のこと。
多摩川サイクリングロードを、山のほうに向いて自転車を走らす。リュックには届いたばかりのりんごをおやつにしのばせた。今まで、このサイクリングロードを、海に向いてひたすら走っていったことはあったけれど、逆に走ったことは初めて。天気がよかったこともあり、山の稜線がきれいに見える。

途中、猫が視界の横を走り去ったのに気付き、自転車を止めてみる。家庭菜園のようなスペースの横に小さな広場ができていて、そこに、ざっとかぞえても20匹くらいの、様々な模様、大きさの猫たちがいた。その中の一人が、足元まで走ってきて、にゃあと鳴いたかと思うと、そのまま道案内のように、ふりかえりつつ、私を誘う。童話のようだけれども、本当の話。そばまでいくと、しげみの入り口があり、そこをのぞくと、誰が用意したのか、猫の寝床がたくさんあり、毛布がひいてあったり、傘がつけてあったり。そしてご飯もたっぷり。ふと目を横にそらすと、看板のようなものに、「心ない人たちに捨てられた猫達が、ここでひっそり暮らしています。きちんと避妊手術をして、増えないようにしています。どうか虐待したりしないで下さい。河原猫管理人」と書かれていた。それを見て、心がじんわりとする。こんな暖かい場所があることを、猫好きとの一人として、嬉しく思う。帰り、自転車に乗る私を、走って追いかけてきた猫は、最初に道案内をしてくれた猫くん。そのまま人間の言葉を話すのではないか、と思ったくらい。また会いにくるね、と告げて、自転車に乗る。

しばらくサイクリングした後、稲田堤にある「SEN」にて珈琲を頂く。帰る頃には日もすっかり落ちて真っ暗になったが、片道15kmほどの道のりは、体が温まるのにはちょうど良かった。

by blossoms_0606 | 2006-12-03 17:51 | 日常

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