2006年 12月 17日
衝動で動いた日
大竹さんのエッセイが以前からすごく好きで、特に「カスバの男」は、もう何度も何度も読んだ。大竹さんがモロッコを訪れたときのの旅日記なのだが、一緒に収録されている色鉛筆画や銅版画はどれもこれも素敵。そして何より、そこにかかれている文章が、本当に自分に染み込んでくるのだ。文庫版の解説を角田光代さんが書かれていたが、読み終わったとたん、モロッコ行きの航空券を手配していたという、その気持ちがわからなくもない。
最新版のエッセイも、私にとってすごくじんとする言葉がかいてあり、黙々と読んでいたら、どうしても大竹さんに会いたくなってしまった。そして先日、一人でまた現代美術館に足を運んでしまう。会場にて大竹さんを見かけ、ものすごく高鳴る心臓を押さえつつ、勇気をだして話しかけてみた。大竹さんの文章は、自分にとってすごく沁みるということ。絵と同じくらい大好きで、これからも楽しみにしています、ということ。あとは、もう、頭が真っ白で何を話したか覚えていない。持参した最新版のエッセイに描いて頂いた、イラストとサインを改めて見直して、嬉しさを噛みしめる。握手をして頂いた右手を何度も見つめてしまう。
その後、美術図書館に行って、昔のインタビュー記事やコメントなど読む。美術評論家などの文章には目もくれず、大竹さんの直接の言葉だけが書かれているページに何度も繰り返し目を通した。文字通り、大竹さんのことばかりを考えて過ごした一日。やはり恋文のようになってしまった。
by blossoms_0606 | 2006-12-17 00:07 | イラストレー ション/アート