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見知らぬ人の日常

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一日の中で、少しでも空いた時間を見つけて、読書をするのが、最近の楽しみになっている。しばらく続いていた残暑から解放され、一気に秋の空気が流れ込んで来たからなのか、その思いはここ最近、夏の頃よりも殊更に強くなっている気がする。

長編小説などじっくり読みたい気持ちもあるが、毎日の細切れの時間の中で読めるのに都合が良いと、最近はエッセイ、それも日記形式のものばかり読んでいる。ちょうど妊娠中ということもあり、よしもとばななさんのホームページの日記をまとめたシリーズの中から、妊娠発覚、その後の子育てなどのあたりを中心に。そして高山なおみさんの「日々ごはん」シリーズ。3巻あたりまでは購入して読んでいたが、いつのまにやら、もう9巻目になっているらしい。図書館で少しずつ借りては読んでいる。そして写真家の川内倫子さんの、携帯カメラによる写真と日常を記した「りんこ日記」、などなど。

どれも、ホームページに掲載された後に書籍化されているものであるが、ホームページに掲載されているものよりも、書籍になってから読むことがほとんどだ。ホームページにある日記を読めば、タイムラグもなく、著者の方の日常により親近感を覚えるのかもしれないが、やはり私は、書籍という体裁で紙に印刷された活字に愛着があり、のんびりと書籍化されるのを待つほうが良い。やはり文章は縦書きでないと、と思うのは変なこだわりか。

上記の三人の方の日記。三方がそれぞれ親しいらしく、同時期に読んでいると、それぞれの日常に他二方のお名前が頻繁に出て来る。当然私にとっては知り合いと呼べる方ではないのに、友人の友人、くらいの印象をもってしまう。「ああ、この話はあっちの本にも書いてあったな」と思うのが、まるでその場に自分も立ち会っていたかのように、「この話はあの人にも聞いたな。」というような、妙な錯覚に陥ってしまうのだ。

「日記」とは本来、自分のために書き記すものだろうけれど、ブログなるものがこれだけ浸透した今では、日記は他人に読ませるためのものになっていることに、少々戸惑うこともある。しかし、見知らぬ人の日常を覗かせてもらい、そこに、例えば同じ時期に同じ本を読んでいるなど、自分と重なる部分を見つけると、誰に話すわけでもないが、なんとなく嬉しい心持ちになる。

by blossoms_0606 | 2007-09-30 15:58 | 日常

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